「どう…して?」

「僕にもわかりません」

僕は首を左右に振った

真実は、勇人さんと兄さんしか知らない

僕はただ…兄さんの頼みごとを聞いたまでだから

その頼みごとすら、満足に果たせなかったけどね

「ただ今言えるのは…小山内先輩があの人に刺されて病院にいる
…それだけです」

「え? 勇人さんが?」

桃香先輩は目を大きく開けて、口を押さえた

「刺されたって……」

「病院になんて…行ってねえよ」

僕の背後から、低い声が聞こえてきた

え?

小山内先輩?