「ない…と思います」

「だろ? なら、俺は迷惑と思ってないし、面倒事を持ち込まれたなんてこれっぽっちも感じてない」

「本当に?」

「ああ」

勇人さんが、あたしの髪の毛の先に口づけをした

あれ…この仕草

昨日もしてた

勇人さんって、髪に触るのが癖なのかな?

「桃香に連絡してきたってことは、俺に近々接触してくるってことだな
いつ訪ねてくるのかと思うと、わくわくしてくる」

勇人さんは、絡めた髪を解くとあたしから離れて立ち上がった

「桃香、朝食が食いてえな
ゆっくりし過ぎた…遅刻する」

「あ…いけない!
すみません!
すぐに用意しますね」

あたしは慌てて立ち上がると、キッチンに向かって走り出した

どうして…勇人さんはこんなに優しいのだろう?