「Naoya〜
そこまで乗ってきなよ」


せりなちゃんだった。


Naoyaの手がパッと
私の手から離れる。


やっぱり
見られたくないんだ。


私はきっと
都合の良い女なんだ。


「私は歩いてくね?」


笑顔で振る舞うのに
精一杯。


やっぱりあの家には
一緒に住めない。


Naoyaが好きだから。
私の片思いだから……