「美依ちゃんの部屋はここね。」

案内された部屋は私の部屋と同じくらいあった。
部屋の中央には折りたたみ出来る小さな四角い机。

右側にはそんなに大きくない、けれど新品のベッドがあった。

その隣には古いタンスがあった。

「え・・・使って良いの?私は別に部屋が無くても良いんだけど。」

「良いんだよ。美依ちゃんはお年頃なんだから部屋がないと困るだろ?」

その通りだけど、でも、わざわざベッドを買わなくても良いでしょう?

そう伝えれば、孫の為に何かをするのが楽しみだったんだよ、そう言って笑った。

祖母の嬉しそうな顔を見れば、使ってしまわないと申し訳なかった。


「荷物を置いたら居間においで。柏餅があるんだよ。」

そう言われ、荷物を置いて居間へ向かった。