愛して欲しい人。




「…え、」




私が言葉に詰まっていると、幸宏さんはいきなり立ち上がった。


次々と服を着て行き、3分もせずに全て着終わる。



私は何も言えず、かと言って直視できるはずもなく視線をずらして考える。





……付き合う、と言った…?



幸宏さんが?


誰と?


私と?



そんな…、ありえないわ。



聞き間違え?



だって、彼は………







私がもんもんと考えていると、


着替えが終わったらしい幸宏さんが鞄をもつ。




「っあ…!」




なんと言えばいいかわからずにいると、



……幸宏さんはそのまま家を出て行った。





一言も話さず、一度も目を合わせることなく。





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