「ねぇ降りてみる?」



陸が止めたのは海岸線の駐車場だった。



今の時期ならあまり人いないだろうし。



「うん・・・。」



そう言って、私と陸は砂浜に向かった。



「足場が悪いね。」



と言いながら、手を差し伸べてくれる陸。



私の心は爆発寸前だった。



「陸!、私・・・あのね!」



そう言った時、私の口元に陸の人差し指が



言葉を遮るようにちょんとおかれた。



「その先の言葉はもうちょっと待っててごらん?」



陸は私の言いたい事が分ったんだろう。



陸は「すき」の2文字を私に言わせてくれなかった。