運命の人はお義兄様



「…気を付けろよ」
「わかりました…。もしかして、焼きもちですか?」

静夏はニヤニヤしながら言った。

「あぁ。嫉妬してる。好きだからな」

静夏は自ら聞いておきながら、真っ赤になっていた。

「ご飯出来てるから、降りてこいよ」

俺は放心状態の静夏の頬にキスし、部屋から出てた。



過去の自分をスッキリさせてからか……。

アイツが"こうくん"じゃないとわかったら、静夏はどうするんだろうか…。


それに付き合うとなれば、今の関係が障害になってくる。

俺は今の家族と家族の関係じゃなくなっても、良いと思ってる。

静夏と結婚するためには、戸籍からどちらかが抜けないといけなくなる。

その時は俺が違う人の養子になる。

静夏には悲しい思いをさせたくないから…。