「気付いてないのは、静夏ぐらいじゃないかしら。 普通名前でわかるでしょ。まぁ絋希くんも最初は忘れてたみたいだけど…」 「静夏ちゃんのバイオリンを聴いて思い出したんです。名前も何もかも…」 2人で過ごした記憶も、一緒に演奏した感じも。 いつの間にか好きになってた。 「…好きなのね?」 「………。僕は…好きです」 優さんは全て悟っている様な気がした。 「あの子鈍感だから頑張ってね。 あと、啓太さんにも…」 親父に…?? この意味はもう少し後に思い知る事になる。