「あ、起きた?大丈夫?」

狩野が目を覚ますと周りには由井、倉崎、千葉、土田、向田が立っていた。

「みんな…」
「彼女から話は聞いた。…無茶をしたな」

千葉が言う。

「それしか…なかったから…」

吸血鬼の体液を体に入れた者は吸血鬼になる。
つまりは、吸血鬼並の回復力と体力が付く事になる。
狩野は由井の血を己に入れる事によって何とか救助まで持たせた。
由井がハーフの吸血鬼だった為、完璧な吸血鬼にはならずにすんだと言う事だ。

「全く。どこぞの小説だよ」

向田が言う。

「二人の愛は種族を越えるって奴か?」

倉崎の発言に皆が笑う。

「しばらくはリハビリだぞ?」

千葉が言う。

「それと…これを君に」