「F…ってここだよな?」

誰も居なくなった道に立ちすくみながら倉崎が言う。
二人は同時に腰から銃を抜き取る。

それと同時に携帯が鳴り出す。

「はい、狩野です」
「私だ。千葉だ」

彼等のクラスの担任の千葉先生からの電話だった。

「吸血鬼ですね。分かってます」
「すまない。近くに君等しか居ないんだ。他の地域も襲われていてね」
「同時ですか?」
「みたいだな。倉崎は居るか?」
「居ますよ」
「分かった。何とか退治を任せたぞ」

電話が切れる。

「…どうやら、お出ましみたいだな」

倉崎が呟く。
前方に二人の男が立っている。
どちらも身長が高く、二メートルはあるだろう。

「行くぞ!」
「俺は右を狩る!」

二人は走り出す。