吸血鬼は大蛇に向かって飛ぶとそのまま足で蹴る。
なんと、大蛇が吹き飛ぶ。
怯んだ大蛇の背中にのり、首の辺りに手を突き刺す。
大蛇が暴れ回るが、構わず何度も突き刺す。

やがて、大蛇は動かなくなった。

狩野はよろけながらも商人の元に行く。
もし、吸血鬼がこちらに襲って来た時の為に、商人を守らないといけないからだ。

しかし、吸血鬼はこちらに来る気配は無い。
ずっとこちらを見てるだけだ。

「おい!何故助けた!?」

狩野が叫ぶ。

「助けたつもりは無い。単にこいつがうるさかっただけだ」

吸血鬼が言う。

「昼寝の邪魔だ。さっさと消えろ」

吸血鬼はそう言うと森の奥に消えていった。

「あ、あれは本当に吸血鬼か?」
「匂いからして間違いは無いと思う…」
「わしらは吸血鬼に対して間違った考えを持ってるのかもしれないのぉ」

商人がつぶやいた。