吸血鬼達と戯れを

「クソッ!群がりすぎだろ!」

狩野が刀を振るいながら叫ぶ。
援護に向かったはいいもの、既に同伴は動かなくなっており、一人の商人が逃げ回っていた。

「おら!」

狩野が最後の一振りを振る。
ようやく最後の吸血鬼が灰になって消える。

「おい、おっさん。大丈夫か?」
「お、おお!助かった!」
「ったく、なんでこんなに吸血鬼が多いんだ?」
「わしには全く分からん。あんた、名前は?」
「狩野だよ」
「狩野か…。よし、お礼にこれをやる」

商人が荷物から一丁の銃を取り出す。

「わしの最高傑作じゃ」
「おっさんは武器商人か?」
「まぁな。…ありゃ?」
「どうした?」
「刀が一つ消えてる…。悪いが探してくれないか?」
「ああ、良いぜ」
「多分、あっちにあるはずじゃ」

商人が歩き出したので狩野も付いていく。