吸血鬼達と戯れを

「じゃぁ、昨日はありがとうね」
「おう。怪我は大丈夫か?」

朝になり、由井は仕事もあるので自分の家に帰ることになった。

「うん。ありがとう。またね」
「バイバイー」

由井が家から出る。

「さぁて、片付けするか…」

狩野はベッドを片付け始める。

「…ん?」

ベッドに鼻を近付ける。

とても馴染みのある匂いがした。

いつも戦い。

狩りの対象。

奴らの匂いだ。

「ああ。分かってるよ」

狩野は誰に言うのでもなく呟く。

RRR。

狩野の携帯が鳴る。

「はいはい。狩野です」
『私だ。千葉だが』
「あ〜。なんすか?」
『悪いが、至急向かって欲しい所がある』
「何処に?」
『A地域で同伴をしていた者からの救助要請だ。急いで向かってくれ。倉崎には別の仕事を任せてある』
「了解。すぐ向かうよ」