「やっと帰って来たなぁ〜」

倉崎が駅のホームに降りた瞬間に言う。

「急な応援だったからなぁ。皆、心配してるかもな?」
「狩野君には河合さんが居るではないですか?」

倉崎がちゃかして言う。

「何でそこで河合の名前が?」
「え?お前ら付き合ってるんじゃないの?隣町に行くときなんか『狩野君、気をつけてね』とか言って駅まで見送りに来てたじゃん。はっはーん。分かったぞ!河合はお前に惚れてるんだな…だから一生懸命…」
「はいはい、そんな馬鹿話は良いから。じゃぁ、俺は用事があるから」

狩野が大きなリュックをしょいながら言う。

「河合か?」
「しつこい」

狩野は倉崎と分かれ、我が家に向かった。