狩野と倉崎は隣町からの帰りの列車に乗っていた。

狩野は隣の椅子で寝ている倉崎を見る。
顔に大きな傷痕が一つある。
ついさっき付いた傷だ。

狩野を庇い、受けた傷。

あの時、もう少し早く動ければ。

もっと早く刀を抜いてれば。

倉崎は傷を受けなかったかもしれない。

今まで

何も考えず行動して来た

ただ、がむしゃらに戦って来た。

だけど

一人じゃ無かった。

必ず仲間が居た

狩野は心に誓う。

もう、誰も傷付けさせない…と。