「おぅ、どうした?」

千葉が保健室から出て来て、二人を見つける。

「千葉、今の人は?」
「ああ。安心しろ。今、輸血の最中だ」

吸血鬼の体液が自分の中に入ると、己が吸血鬼に成り兼ねない。
もし、吸血鬼に噛まれたりした場合は素早く輸血を行う必要がある。
だから、噛まれるという行為は一番回避しなくてはいけない。

「彼等のランクは?」
「君等も初めて見るだろう。彼等がXランクの者達だ」

Xランク。
学園を優秀な成績で卒業出来た者だけに与えられるランクだ。
一番危険とされている吸血鬼の巣の排除が出来るのも彼等だけと言われている。

「Xランクでもあんな怪我を負うんだ。おまえらも気をつけろよ」

そう言うと千葉は保健室の中に入っていった。