狩野が素早く銃を撃つが全てナイフで弾かれる。

「どんだけ丈夫なんだよ!」

狩野が飛んで来たナイフを木の陰でやり過ごしながら叫ぶ。
この木達が邪魔で刀は使えない。
ひたすら銃に頼るしか無いみたいだ。

狩野は木の陰から顔を出す。
吸血鬼の姿は見えない。
だが、必ず何処かに潜んでいる筈だ。
一歩一歩、歩き出す。

ふと自分の周りに影が出来てるのに気付いた。
上を向いた時には既に遅く、爪で顔を切られる。

「っ…!」

幸い頬を切られただけだった。
狩野はそのまま吸血鬼に体当たりし、吸血鬼を倒すと頭に銃口を突き付ける。

撃つ。

吸血鬼が悲鳴を上げる。

やがて吸血鬼の体が次第に溶けていき灰になって消えた。

狩野は周りを見渡す。

「…あれ?倉崎は?」