「お帰りなさい、星さん。望月さん、お久しぶりですね」


そう言って暖かな微笑みを見せたのは、神楽家でお手伝いさんをしている真綺(マキ)さんだった。

年齢は私の母と変わらないくらいだと思っているのだが‥実際は判らない。

星が幼い頃から、真綺さんは神楽家に住み込みで働いているらしいのだが、そんな星でさえ、年齢は教えてもらっていないらしい。

真綺さんは年齢以外にも秘密が多く‥とにかく謎の多い女性だ。


「皆さんもようこそいらっしゃいました。はじめまして。私、この神楽邸でお手伝いをさせていただいております、坂城(サカジョウ)真綺と申します。それではお部屋にご案内しますので。さぁ、どうぞお入りください」


私達は真綺さんに軽く頭を下げながら、建物の中へと足を進めた。