確かに大豪邸と呼ぶまでのものではないが、そこに在るのは、白を基調とした豪邸と呼ぶに相応しいお洒落な建物だ。


「彗。それは、私にはお城が似合うという褒め言葉‥だと解釈していいのよねぇ?」


静かに響く星の声は、決して低くなどないのに、異様な威圧感を感じさせるものだった。

更に星の笑顔が恐怖を煽る。

その笑顔に、彗ちゃんは引きつった笑みで応えた。


「え、ええ、もちろんよ?」


「なら、いいのよ」


そう言うと、星は階段を登り始めた。

私達もその後に続く。


短い階段を登り終えれば、玄関の横に見知った顔を発見した。