再び朱月との接点ができてから、1年はとうに過ぎた。


朱月が昔と違うということは、充分すぎるほどに思い知った。

バンドの練習以外は、殆どが女の子と遊ぶ日々。

それも、違う女の子とばかり…。


今のように、電話の呼び出しなんて日常茶飯事。

途中まで一緒に帰れたのだから、今日はまだ良い方だ。


この事実を知ったときは、驚き以上に失望した。

最低だと、そう思った。


それなのに、朱月への想いを断ち切れないのは ―――――



私は手の中にあるペットボトルに視線を落とした。



――――― 優しいところは、何も変わっていないからだ。