「相変わらずだなぁ」

私は、思わず笑った。

「でもホント、練習時間も充分とれなかったのに、皆上手だったよ」


「だよな。朱月も今回は、ミスしなかったしな」


彗ちゃんは、そう言って揶揄するように笑った。

そんな彗ちゃんの頭を、朱月は遠慮なく叩く。

長い髪が、少し揺れた。


「い、いてぇっ!何すんだよ、朱月!」


「五月蝿い」


「はぁ!?人の頭を叩いておきながら、何なんだよ、その言い草はっ!」


「本当に五月蝿い」


「瞬輝、お前まで!?」

彗ちゃんは、ショックを受けたように瞬輝くんを見上げた。

「てか、ズラが取れるだろっ!!」