「おうっ!星ちゃんと一緒にでもいいぜ?」


「それは遠慮します」


「だろうな」

黒雨さんは、灰皿にタバコの灰を落とした。

「1人で来いよ。話くらい聴いてやる」


「‥別に相談なんてないですよ?」


「世間話だよ」


「‥そうですね…」


大人だなぁ‥俺は黒雨さんを見て、そう思わずにはいられなかった。


できることなら、もっと早くに出逢いたかった。

あの雨の日、店の前に居たのが神楽ではなく俺だったら‥そんな愚かなことを考えた。