嘘で隠された現実(リアル)

ノックもなしにドアが開き、黒雨さんが入ってきた。

一度大きくなった騒音がドアに遮られ、再び遠くなる。

黒雨さんは、手にしていた皿を置き、向かい側に腰掛けた。


「ほら、デザート持ってきてやったぜ?今日は『柚子の果肉入りシャーベット、フルーツ添え』だ」


「うわっ、ありがとうございます!」

俺は、声を大にしてお礼を言った。


食後のデザートまで付いていたのかと感動する。

しかも、こってり系の料理だったので、デザートがさっぱりした柚子シャーベットであることが嬉しい。


「デザートは口直しの意味も込めてシャーベットにしたんだが、良いよな?」


「勿論です!寧ろありがたいです!」


「そりゃ良かった」


嬉々としてスプーンを手にする俺を見て、黒雨さんは優しく微笑んだ。