嘘で隠された現実(リアル)

「何だか‥難しすぎて、よく判んねぇ。けど、神楽にとってここは、特別ってことみたいですね」


「まぁ、そうなるな。それにしても、星ちゃんと初めて逢ったときは驚いたんだぜ?綺麗な服来た女の子が、店の前にずぶ濡れで座り込んでるんだからな…」

黒雨さんは当時を思い出すかのように目を閉じた。

「真冬に薄着でずぶ濡れ‥寒さで震えが止まんねぇのにさ、「問題ないです」って無表情で言うんだぜ?あれにはたまげたな。雰囲気だけでも、良いとこのお嬢さんだって判ったぜ。まぁ、それがきっかけだな。それから頻繁に、星ちゃんはここに来るようになった」


「何でずぶ濡れで店の前に居たんです?」


「さぁ?そのことは知らねぇな。訊くつもりもねぇよ」

黒雨さんは目を開け、興味なさげに呟いた。