「こりゃまた‥お前、相当星ちゃんを怒らせたみたいだな?」


そう言いながら現れた男は、黒いタオルを差し出してきた。

こんな物まで黒なところをみると、この男の好きな色なのだろう。


「ありがとうございます」


「グラス割らなかっただけマシか…。だがな、お前明日から生活できないかもしれねぇぜ?」


「‥かもしれないですね」


「お前、いい性格してんな」

男は呆れたように呟いた。


「貴方には言われなくないですね。俺達の話に聞き耳立てるなんて、趣味悪いですよ?」


男は、驚いたように俺を見た。

そこまでの反応をしてもらえるとは思わなかったので、俺は小さく笑ってしまった。