ねぇ、朱月。


このときにはもう、私はきっと気付いてしまっていた。

強く望む幸せは、無条件で与えられるものではないと‥何かを犠牲にしてしか得られないものだということに…。


アナタの隣に居ることを望むなら、私を気に掛けていないと判っていても、奇跡に賭けて、告白すべきだったのかもしれない。

小さなプライドも無意味な恥も捨てて、自分自身の心の全てを犠牲にしてでも、一番欲しいモノを求めるべきだったのかもしれない。


だけど私は欲張りで、何か1つのことだけのために、全てを犠牲にはできなくて…。


手に入るか判らないモノのために、全てを犠牲にはできなくて…。


結局諦めてしまった。

私の求めていた一番の『シアワセ』は…。