やがて、

涼は帰ってきた


あの、
綺麗な女の子の傘の中で…



涼はお酒をすごく飲んでた

そして、
やっと有希を見つけた



「何でここにいんの?

 …こんなに遅いのに」

涼は予想とは全く違う反応を見せた

……喜んでくれなかった



「…誕生日、

 おめでとう…」


香水を、涼に渡した



その時、
涼はすっかり冷えきった

有希の手に触れた




「…おまえ…」

「…お休み…帰るね…」
「待って!」


涼は上着を脱いで

有希の肩にかけようとした



だが…

有希は断った



涼は、

冷え切った有希を見つめた



そして
視線から、

有希の姿が消えた



突然、涼の心がズキって、

痛んだ