病室は、

消毒液の匂いでいっぱいになっていた




涼はベットの隣に座り、
弱弱しい有希を見つめた



「…誰?」


有希は感じた

誰かがいる




「…ッ…」


涼は心がずきずきと痛くて…

涙で視界がぼやけた…




「…涼…?


 そうなの…?」


涼は何も言わなかった


そのかわりに、
静かに有希の手を取った



有希は、
涼の体温を感じた