振られたといっても、間接的であって、直接的に振られたわけじゃない、と自らを奮い立たせて、足繁くライヴハウスに通っている。
メンバーともそれなりの顔見知りになったし。友だちとして、だけれど。
今日は、まだ開店前のライヴハウス内で練習をしているのを見に来た。
ぎゅいん、とチューイングを終えて、イチキはあたしを見た。
「何聞きたい? 今日は、井之村さんが園田のリクエスト聞いてやるって」
え、ほんと?
イチキしか視界に入っていなかったから、慌てて中央の井之村さんに目を向けた。
目が合った瞬間に、苦笑されたけれど。
余談ながら、ヴォーカルの井之村さん、ベースのジンさん、ドラムのイッペーさん、それぞれあたしよりも4つ上の24歳で、3人とも幼なじみらしい。
そして、あたしのかわいそうな片想いにいち早く気付いて、空回り振りを笑って……、応援してくれている。ということにしとこう。
今日のセトリの中だったら、どうぞ。
ジーンズのポケットに入れ込んでいた紙を2つ指で挟んで、ひらひらと振った。
「じゃあ……」
「「K!!」」
あたしの声に被ってきたのは、Kishのギタリスト。
だと思ったー。とぎゅぎゅいん、とイッペーさんを急かす。
「お前、だたソロしたいだけじゃねぇ?」
「そうだけどー、早く早く」
しゃあねぇなぁ、とスティックを叩き始めた。
メンバーともそれなりの顔見知りになったし。友だちとして、だけれど。
今日は、まだ開店前のライヴハウス内で練習をしているのを見に来た。
ぎゅいん、とチューイングを終えて、イチキはあたしを見た。
「何聞きたい? 今日は、井之村さんが園田のリクエスト聞いてやるって」
え、ほんと?
イチキしか視界に入っていなかったから、慌てて中央の井之村さんに目を向けた。
目が合った瞬間に、苦笑されたけれど。
余談ながら、ヴォーカルの井之村さん、ベースのジンさん、ドラムのイッペーさん、それぞれあたしよりも4つ上の24歳で、3人とも幼なじみらしい。
そして、あたしのかわいそうな片想いにいち早く気付いて、空回り振りを笑って……、応援してくれている。ということにしとこう。
今日のセトリの中だったら、どうぞ。
ジーンズのポケットに入れ込んでいた紙を2つ指で挟んで、ひらひらと振った。
「じゃあ……」
「「K!!」」
あたしの声に被ってきたのは、Kishのギタリスト。
だと思ったー。とぎゅぎゅいん、とイッペーさんを急かす。
「お前、だたソロしたいだけじゃねぇ?」
「そうだけどー、早く早く」
しゃあねぇなぁ、とスティックを叩き始めた。