籠目 籠目

夢中で走りすぎて
息は凄い途切れて、
汗もめちゃくちゃかいていた。


智也(顔…洗おう……。)

洗面所で顔を洗い、
洗面所の水で一杯―――。


智也「ゲホッ!ゴホッ!…」

思わず水を吐き出す。


何故なら
鏡に映っている
俺の遠く後ろに、
さっき店の窓ガラスで見た
あの女が映っていた。

しかも、その女は
さっき見た時より、
俺に近づいている。