ヨースケは何か言おうと思ったが、

喉が固まったように声が出ない。

「……」

「まあいい。

 変なマネはするなよ」

ヨースケの返事は待たずに、

電話は切れた。

――アネキなりの警告か

――いや、公安との捜査への

  抵抗なのかも知れない

ヨースケは、ナツの身に、

降りかかって来たものを思うと、

ジリジリと嫌な汗が

全身から湧き出してきた。