《So What?》に入ると、

電子音のチャイムが鳴り、

オープンスペースにいたレイヤが

振り向きざまに言った。

「すいません、今日はもう、

 ……と、お揃いで珍しいね」

入ってきた3人が誰か気づいて、

レイヤは笑顔を見せた。

「レイヤ……」

ミキが今まで見せたことの

無い弱気な顔して、

レイヤにしがみついた。

「おいおい」

レイヤはちょっと尻ごみしたが、

少年っぽい目を細くして、

ミキのアタマを撫でた。

「ミキ……」

――ミキも強がっていても、

  レイヤの前では女の子だな