「ダィジョブですョ」

ナツは子犬を抱く客のところにもどると、

顔を覗き込むようにニッコリと笑いかけた。

その客の顔に目を向けると、

ナツはその瞳からしばらく視線を移せなくなった。

――このワンちゃんとソックリな目!

その目を見てると、

なんとも不思議な感覚に捉われていく。

やや色黒な顔の、

柔らかそうな眉の下からは、

黒目が大きな瞳が、

ヒトなつっこく向けられていた。

(クシュ)

「れれ?ワンちゃんもクシャミするンです?」

ナツは、そういいながら、

自分が無意識に微笑んでいるのに気づいた……