『そっか。』
「あーなんかスッキリした。話し聞いてくれてありがとな、陸。」
『…おう』
それだけ残し泉は教室に戻って行った。
自然に呼ばれた名前に、何の違和感も無く返事をしていた事に気づいたのは、泉の居なくなったベンチで1人、泉が話してくれた事を思い返してた時だった。
そして、もし俺がその場にいたらどうしてたかを考え始めた。
イジメにあってる奴を見て、助けたら標的にされると分かってて…俺ならどうした?鼻で笑って、ガキだなって吐き捨てて。
そんでそいつ助けた気になって…でも結局は変わんなくて。
結局は俺もイジメる側の人間になる…。
1人じゃなんもできないもんな。
笑い合える奴らがいて
一緒にバカできる奴らがいるから、ドラマみたいな子供じみた事も平気でできる。
今この瞬間は一度しかないのに、弱いもん袋叩きにして青春塗りつぶして。イジメってなんであんだろ?
『はぁ…』
ため息と一緒に、我に返り、自分の考えに思わず笑ってしまった。
クサいセリフ並べて、いい子ぶってるけど、実際は考えるだけで。
何も出来ずに、俺なにしてんだろ?って自問自答して、ただ過ぎてく。
それでも傷は癒えねんだよな。イジメた事実も、イジメられた事実も。
みて見ぬ振りしてた事実も…。


