僕の執事

で、結局恭平に付き合い、一周だけ本気で走った。
明日は筋肉痛だな。
結果は、半周の差をつけ俺が勝った。
途中まで五分五分だったけど、恭平の走りがだんだん緩くなり、最終的には歩いてた。


『だから言っただろ。』


隣で腹を押さえ、悔しそうな顔をする恭平。


「お前速すぎ…!」


『そっちかよ…』


今が何周目なのかも分からないほど走り、みんながバテて始めた頃、先生が笛を鳴らした。


「終わった~…」


笛の音と同時にしゃがみ込む恭平を担ぎ、邪魔にならない場所まで運ぶと、大の字に寝転ぶ恭平を見下ろした。


「もうだめ…」


智章さん呼んだ方がいいかな?


「お前も大変だな」


ポンと肩を叩かれ、振り向くと、泉が笑いをこらえ立っていた。


『ん? 見てて飽きないけどな』


「確かに。…恭平がこんなんなってる姿初めてみた。」


マラソンの後チャイムが鳴り、そのまま休み時間に入った。
俺は泉に呼ばれ、恭平を智章さんに託し、校庭そばのベンチに腰を下ろした。


「俺さ、アイツと同じ中学だったんだ。」


真剣な表情でそう切り出す泉の言葉を、俺は黙って話を聞いた。