僕の執事

あれから1ヶ月が過ぎ、学校にもクラスにもなれ、少なからず友達も出来た。
でも、やっぱり変わらないものもあって…
相変わらず俺は、葵と必要最低限の会話しかしていない。
そんな俺たちに、何を思ってるのか、恭平が俺と葵の中を縮めようと勝手に奮闘してる。


恭平に付き合っていく度、少しずつ膨らんでいく思いがある。
智章さんが言った中学の時の恭平が俺に似てるといった言葉の意味。


誰にでも過去はある。
俺にも、騎馬にも、葵や恭平、泉にも。
でも、それは触れちゃいけない気がして聞けないでいるうちに、モヤモヤだけが風船みたいに膨らんでいった。


いつか爆発したら、聞いてみよう。
そう思いながら、今日もうなされて起きた。
葵が来てから、毎日うなされて起きる。
冬なのに汗だくで…汗が引いた時に、寒さが倍になってくるから困る。


「おはようごさいます。」


あ、1ヶ月の間に、変わった事がもう一つあった。


「陸、早くなさらないと佐々木さんが来られますよ?」


『ああ…』


葵が俺を名前で呼び始めた事。
──呼び始めたキッカケは、いつものように、うなされ起きた時。


「あの、早くなさらないと」