僕の執事

確かあの日は、白地に可愛いドクロの絵がプリントされた長袖に、今みたいにロングシャツとジーンズだった気が…
今思い返しても、我ながらいいファッションセンスをしてると思う。
 騎馬は、困った顔で俺を見てたけど、意外と似合ってたし。


『騎馬が居なくなったら、変わりに俺がお前の服着てやるよ』


「いいですけど、あまり汚さないでくださいね。」


『いつも綺麗にして返してんじゃん?』


俺と騎馬は年は離れてるけど、背格好が似てるのもあって、時々服を交換したり 勝手に騎馬の服を拝借したり…それでよく怒られたな。


「それは、クリーニングに出してるからです。」


『……。』


言い返せないのは、騎馬の言った事が当たってるから。


「僕が戻る事があった時、服が汚れてたら、燕尾服のままずっーと陸の側にいますから。
それを頭の片隅に置いておいてください。」


ニコッと笑う騎馬の笑顔は、なんでこんなに迫力があるんだろ?


『うん、分かった。
もし、戻ったら新しいのを買いに行こう!!』


「はあー…」


分かってんの?かって言いたそうな顔してるけど、お前とこうやってじゃれ合えんのも少ししかねぇんだからもう少し付き合え!!