僕の執事


『長いってか、遠くね?』


靴を履き換えてから、150分。予想以上に長い廊下を歩いていた。


「もう少しです。」


何度か聞いた騎馬の言葉に飽きて来た頃、ようやく職員室の札が見えた───


「失礼致します。
校長先生は御在宅でしょうか?」


戸を開け、丁寧に訊ねる騎馬に先生の目が集中した。
そんな事をお構いなしに、騎馬は笑顔を振りまいていた。


「もしかして、一ノ瀬さんですか?」


俺を見つけた1人の先生が、名前をあげ近づいてきた。


「はい。」


見るからに弱そうな先生は、騎馬に頭を下げた。


先「すみません気づかなくて…」


騎「いえ、大丈夫です。
それで校長は?」


先「今ご案内します。」


そんなこんなで、何故か俺まで校長室に入る羽目に…。


「君が一ノ瀬くんだね?」


『はい、よろしくお願いします。』


聞かなくても分かるだろ。俺しか制服着てねんだから。
心の中でぼやきながら、後ろに立つ二人の執事を眺める校長を観察してた。


『気になりますか?』


「なにがかね?」


『執事が2人いることです。』


校長は「ああ!」なんて納得しながら、笑ってた。


『騎馬。』