僕の執事

おとなしい俺に敬語で説教する騎馬を見ながら、小さく笑った。


「では、お車を回して来ます。」


にっこり笑う騎馬を、学校指定のスニーカーを履きながら、見送ったあと、後ろに倒れた。


『…苦しい…』


「大丈夫ですか?」


『ん…?』


上から声がし、見上げると、カバンを持った葵が心配そうに俺を見下ろしてた。


『見ればわかんだろ…っ』


勢いよく起きあがると、葵からカバンを受け取った。
カバンは普通なんだ。


「毎朝、あんなに食べていらしたんですね。」


カバンを脇に置き、騎馬が来るのを待ってると、葵にそんな事を言われた。


『…無理やりだけどな。』


「言って下されば、お作りしましたのに…」


『聞かれなかったし、言う必要ないと思ったから。』


「…もしよろしければ、明日からお作りしますが?!」


『……。 お前、料理出来たっけ?』


「はい、多少。」


『ふ~ん。』


葵に背を向けたまま、聞かれた事だけに答えた。
料理出来るなんて初めて知った。
アップルパイしか食ったことないし…そう考えると、俺、葵のことよく知らないんだな。