『うん。あ、時間は大丈夫なの?』
葵が騒いでた事を思い出し、騎馬に訊ねると、笑顔で大丈夫だと言った。
─それから朝食を…全て出された物を食べ終えるまで離してくれない騎馬を恨みながら、胃に流し込んだ。
『う…っ』
「さて、行きましょうか!」
逆流してきそう…
お腹いっぱい過ぎて動けずにいる俺に、悪魔のような笑みを浮かべる騎馬。
端から見たら、優しい微笑みも、俺には悪魔の微笑みにしか見えない。
『S執事…』
その光景を見ていた葵は絶句してた。
そりゃそうだ一ノ瀬家の朝は、和食が並ぶ事が多い。
今日もテーブルの上には、綺麗に和食が並べられていた。
ここまでだと至って普通な光景に見える…出された量以外は。
出汁巻き卵、切らずに2つ。焼き魚二匹、味噌汁に昔話盛りのご飯その他諸々…を、朝から食べさせられてた俺って、すげぇよな…って自分に感心し始めてた。
作る騎馬もすごいけど。
動きの鈍い俺を騎馬が玄関まで誘導する。
さすがに2日のブランクは大きいな…
『…うぅ…』
「ちゃんと食べていなかったんですか?」
『ん、なんか食べる気しなくて…うっ…』


