翌朝─


ピピピ…ピピピ…─
目覚ましが鳴るのと同時に、布団から腕を伸ばす。
バンバンと何かを探す手が、目覚まし時計に触れると、そのまま中に引き込んだ。


『るさい…』


再び遠のく意識を、今度は声が呼び止めた。


「おはようごさいます、起きてください。
遅刻致します!!」


ユサユサと体を揺すられ、布団から顔を出すと、葵が必死に俺を起こそうとしてた。


『…眠い…』


ゆっくりまばたきする目が、力無く閉じるとすかさず葵が声を上げる。


「眠くありません、起きてください!!
遅刻してしまいます!」


なんでそんなに焦ってんだよ?
眠たい頭でそんな事を思いながら、大きなあくびをした。
なんかテンション高いし…


『今、何時?』


本日3度目の発言。
騎馬には、布団剥ぎ取られたけど、葵は葵でウルサい…。
眉間にシワを寄せ、不機嫌と顔で訴えながら葵の返事を待った。


「今は、7時15分です。」


『…まだ寝れる…』


再び眠ろうとすると、今度は耳元で「おはようございます!」と大声で言われ、さすがにコレには驚いた。


騎馬より手強いな…
毎朝こんな起こされ方されんのか…睡眠が恐怖に変わりそう。