僕の執事

今日は1日葵と過ごさなきゃいけない。
そう思った途端、どう接すればいいのか分からなくなった。
明日の準備をするにしても、きっと既に用意済みだろうし。
小さい頃は、何もしなくても楽しかったけど、この歳になると気まずい。
今だって…テレビを消して二階の自分の部屋に行きたいけど、消していいのかすらわからない…。


『はぁ…』


小さくため息を吐き、前髪を止めてたクリップを外した。


『俺、上行ってるからテレビ見るなら座れば?』


それだけ言うと、立ち上がり、リビングを出た。
閉めたドアを背にまたふぅと息を吐く。
なんか、疲れた…
頭を掻きながら、のろのろ歩いてると、背後に人の気配がした。


「あの…」


『ん?』


振り向くと葵がいた。


『…なに?』


俺の声に葵の顔が暗くなった。
なんでそんな顔すんだよ、お前が居なくなってから俺がどんな気持ちでいたか知ってんのか?
 そう怒鳴りつけたい気分だった。
でも、言わなかった。
「葵さんにも事情があります。」そう言った騎馬の言葉がよぎったから。
どんな事情で何が起こったのか俺は知らないけど、知る権利はあるよな?
「葵さんなりの決意があったはずです。」
とも言ってたけど、どんな決意?