─翌朝
目が覚め、体を起こししばらく布団の中でボーっとしてた。
今日から騎馬は居ない。
少しめんどくさいけど、騎馬に貰った紙を枕の下から取り出し広げた。
洗顔フォームの場所まで書いてある紙を折り畳み、ポケットに突っ込みベッドから出た。


『ん~…はぁ』


ボサボサの髪を掻きながら、顔を洗いに洗面所に向かうためドアを開けると、目の前に葵がいて驚いた。


『…っ!…』


でも、驚いたのは葵も同じらしい。


「おはようございます」


なんて頭を下げる葵は、無表情だった。
俺は何も言わずに葵の隣を横切った。
おはようくらい言ってやれば良かったかな?
なんて、後悔したところで時間が戻る訳じゃない。
昨日のバスケで筋肉痛になった体を引きずり、階段を下りた。