僕の執事

誰か聞こうとしたら、「お入り下さい。」で、はぐらかされた。
─家に入ると、リビングから笑い声がした。
久しぶりに聞く笑い声に、リビングを覗くと、葵が笑ってた。


『…笑えんだ。』


「なにかありました?」


俺がリビングのドアから中を覗いてると、騎馬が同じように中を覗き「楽しそうですね。」と言い歩き出した。
興味ないのか…。
騎馬のあとを追い、階段を上がりながら葵も笑うんだななんて考えてた。
 それがなんか悲しかった。ショックの方があってるか?


ドサッと倒れ込むようにソファーに座り、ふうと息を吐く。
シンデレラは幸せになったけど、今んとこ俺は不幸だ。
俺1人が辛い顔すんのは間違ってっけど…たまにはしたくもなる。


『はあ…』


もう寝ようかな?
俯き、立ち上がろうとソファーに手を掛けた時、後ろから声がした。


「陸、葵さんにも事情があります。
陸の前から居なくなったのにも、葵さんなりの決意があったはずです。
時間が掛かったとしても、一方的に聞いたりしてはいけませんよ?」


『なんだよ急に…』


「陸なら大丈夫です。」


『…聞く勇気なんかねぇから、安心しろ。』