『─ただいま。』
電気一つ点いてない家に入り、真っ直ぐ自室に向かうと そのままベッドに突っ伏した。
「制服のまま寝ないでください。」
部屋に入ってきた騎馬に言われ、しぶしぶ制服を脱ぎ、渡されたトレーナーに着替えた。
『なんか疲れた…』
「今日はよく眠れるでしょう。」
怖いくらいの優しい笑みをくれる騎馬は、ポンチョに入れたままだったケータイを俺に渡し、部屋を出ていった。
『…なんだあれ…』
しばらく呆然と部屋の扉を眺め、ケータイに目を移した。
『………。』
ケータイを開き着信の中から恭平の番号を探し、掛けた。
《─…はい。》
『こんな時間に悪いな』
数コール後に出た恭平の声を聞いた瞬間、冷静になろうとしてる自分に気づいた。
もしかしたら俺は今から残酷な事を恭平に言おうとしてるのかもしれない…と、でも、恭平には伝えておきたかった。
俺と葵の事を…
《そうなんだ。よかったじゃん!!》
葵と付き合う事になった。そう告げたら、そんな言葉が返ってきた。
『お前にだけは、伝えておかなきゃいけないような気がしてさ…ごめんなこんな電話で。』
《本当だよ!》


