僕の執事

たった一言、そう呟いた葵は、ゆっくり近寄り俺の胸に頭を預けた。


『葵……本当に好きだよな』


ポンチョを掴む葵の手を眺め小さく笑った後に、思いっきり抱きしめた。
とびっきりの愛を込めて。葵が苦しいって言っても離してやんないから。


『…あ、そういやまだ聞いてなかった。』


離してやんないからなんて思った側から、離してるし…自分の行動に苦笑し、潤んだ瞳で真っ直ぐ俺を見てくる葵に、ずっと聞けずにいた答えを訊ねた。


『葵の答え、聞かせてもらってない』


「答え…」


『告白の答え。
聞こえなかったなら、もっかい言おうか?』


そう言ったら、ハニカミながら顔を左右に振った。


『好きだよ。』


「私も…陸が好き、だよ?」


『なんで疑問系になんだよ』


半分声になって無かったと思う。
驚いた葵の顔が、俺の視界から消えたから。
あれ以上正面から見てたら、騎馬がいる事忘れて大変な事しそうだったから。
きつく抱き寄せた。
葵は、腕の中で苦しいって言いながら笑ってた。
腕を緩め、解放してやると自然と繋がれた手にどちらともなく笑みをこぼした。