「陸、どうなさるおつもりですか?」
騎馬の問いかけに、目線を足元に落とした。
『騎馬はどうしてほしい?』
「…僕は…」
『親父がさ、俺に任せるって言って言ったんだ。俺の気持ちに従いなさいって。
だから、いいんだよな?これで…俺間違ってるかな?』
「もう、決まってるんですね?」
その問いにコクリと頷き、腰を上げた。
『葵、迎えにいくか。』
ゆっくり歩き出す俺に合わせるよう、騎馬が扉を開けた。
陸の気持ちに従いなさい。
親父にそう言われた時から、答えは決まっていた。
少し長い階段を上り、理事長室のドアをノックしようとした時、中から葵の声がした。
「好き…だけじゃ理由になりませんか?」
「それだけじゃどうにもならない事くらいあなたも分かってるでしょ?」
マリアさんと葵?
騎馬と目を合わせ、悪いと思ったが暫く話を聞く事にした。
「分かってます、自分で決めた道ですから。
一ノ瀬のお父様との約束を裏切る事も重々承知です。」
約束?
「そんなにアイツが好きなのか?」
神田の後に沈黙が続いた。


