僕の執事

立ち上がり一礼すると、扉に向かった。
部屋を出る間際神田に睨まれたけど、相手をするのがめんどくさかったから無視して部屋を出た。
 ─無言でついてくる騎馬を背に、応接間へと一段一段階段を下りた。
下りながら、ポンチョの中からケータイを取り出した。


『ふぅー…』


大きく息を吐き、応接間に入ると、ドアが閉まるのを確認した後で電話を掛けた。
真っ暗な窓には怖い顔の自分が映ってた。
 耳元で鳴るコール音に緊張しながら、相手が出るのを待った。


《…はい。》


短い沈黙の後、渋い声が耳に届いた。


『親父? 今大丈夫?』


《ああ、大丈夫だ。
珍しいな、お前から掛けてくるなんて》


『初めてかもな…』


微笑し、本題に入った。


『あのさ…』


《なんだ?》


『うん、執事の事なんだけど。』


《騎馬がどうかしたか?》


『いや、騎馬じゃなくて、葵の方。
親父が契約した時、葵が執事を辞めたいって言ったら、許可をださないよう言ったって…』


《誰に聞いたんだ?》


『マリアさん。
今来てるんだ、マリアさんの所に…』