僕の執事

シュッ…─
小さな音と一緒にネットに入るボールを見て、騎馬は拍手をした。


『…拍手は止めろ。』


ニッコリ笑う騎馬は、ボールを拾い上げ俺と同じ位置までくると、ゴールへ投げた。
そう遠くない距離なのに、そのボールは綺麗な弧を描き、吸い込まれるようにネットの中へ入っていった。


『…本当だったんだ…』


「懐かしいですね。」


目を細め懐かしそうにゴールを見つめる騎馬は、何を思って執事学校になんて入ったんだろ?


『騎馬はなんで執事になろうと思ったの?』


「なんとなくです。」


『なんとなく?』


「はい。」


バスケボールをいじりながら、優しい目で淡々と話し始めた。


「本当になんとなくです
行きたい高校もあったので、その為にいっぱい勉強もしました。
でも、飽きてしまったんですよね…」


シュッとボールを飛ばし、続きを話した。


「なんのために行くのか分からなくなってしまって…夢も無くて、目指す物もなくて。
周りを見れば机とにらめっこしてる生徒ばかりで…。」


『受験シーズンはな。』


「…キラキラしてみえたんです。」


『キラキラ?』