「ミルクと砂糖はお好きにどうぞ?」
ニッコリ笑い、目の前に腰を下ろしブラックコーヒーを啜るマリアさんが、いきなり遠い人に思えた。
それは俺の知ってる優しいマリアさんじゃなく、理事長の顔。
『あの、葵が執事を辞めるって本当ですか?』
出されたコーヒーを飲む前に、まず質問した。
マリアさんはコーヒーを飲む手を休め、本当だと言った。
「いきなりやって来て、執事を辞めさせてくださいなんて言われて驚いたわ。 でもね、そう簡単には辞めさせられないのよ…あの子は特別だから。」
『特別? …それって、親父関係してますか?』
「勘が鋭いのね」
微笑し何故ダメなのか を順を追って話してくれた。 それは、当たり前だけど俺も騎馬も知らない話しだった。
「高城葵が、この執事学校に入る事が始めから決まっていたわけじゃない事は、アナタも知っているわね?」
『はい。』
「んー…どこから話しましょう?」
マリアさんと親父はどれくらい昔からの付き合いで、どんな関係だったのか、早く知りたくてウズウズしてた。
「そうね、じゃあ私とアナタのお父様、高志さん(たかし)の関係から話ましょう。」


